脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!? 池谷 裕二
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読み進める中で新たな発見も多々あるが、経験的、もしくは古くからの心理学的研究によって知られてることもある。脳科学によるアプローチは、常識や哲学的アポリアに対しても、より本質に迫る認識をもたらす可能性を秘めている。
たとえば、いわゆる「難関資格」への挑戦において、その準備が長期にわたる場合、挫折に陥りやすいことは、経験的にわかることだが、それは原理的に次のようなメカニズムが存在することを理解すれば、あらかじめ対処することもできよう。
・・・サルに単純な試験を行わせることで、興味深い現象を見出した。試験とは、目の前に置かれたモニターに、赤色のサインが表示されたらレバーを押し、サインが緑色に変化したらレバーを離すというものである。この一連の行程をミスなくこなせたら、サルはご褒美のジュースがもらえる。・・・(省略)・・・この程度の簡単な作業であれば成功率は九七%を超える。
ところが、・・・(省略)・・・四回連続で成功したときに初めてジュースがもらえるような複合課題にすると、成功率は格段に下がる。・・・(省略)・・・
報酬に辿り着くまでのステップ数が多くなると仕事のエラー率が高くなるというわけである。
成功にいたるまでの道のりに、多くの「トライ&エラー」が不可避的に含まれるような挑戦は挫折しやすい。一定の時間や労力をかければ到達できるようなものであっても、だ。
また、私たちは日々ストレスにさらされているわけだが、生きていく上でこれを完全に回避できるなどと思うことは妄想でしかありえない。考えるべきは、「免れないストレスに対しどう対応するか、だ。
本書はこれに対し、ある極端な例を挙げている。直接体に薬物を投与し、強制的にストレスを感じるようにした、人間に対する実験だ。この状況において、ストレスと克服した結果を生じたものには、二つのポイントがあったそうだ。
「予測」と「回避」である。
生じる可能性があることをあらかじめ知っていること、そして、耐えられなくなったらいつでも回避できることを知っていることである。
重要なことは、ストレスを解消するかどうかではなく、解消する方法を持っていると思っているかどうかです。
よくストレスに対しては、「ストレス解消法」が紹介されるが、本当に大切なのは「解消する方法を持っていると思っているかどうか」なのだ。なんだか深い。。。
それと、ストレスと記憶の関係にも触れている。
ストレスに慣れることは一種の「記憶の作用」である。環境そのものは変わっていないにもかかわらずストレスが減る──これは「現在の環境をストレスに感じる必要はない」と脳が“記憶”した結果なのだ。
・・・(省略)・・・
新しい環境にできるだけ早く順応しないと大切な記憶力が侵されてしまう。
やはり依怙地でいるとストレスが強いわけだ。
いろんな知恵が満載。受験勉強にも仕事にもいろいろ応用できそう。
- [2008/02/17 08:36]
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