“読書”と“資格取得(今は司法書士)”と“音楽鑑賞”のメモ

 

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Posted on 10:47:22 «Edit»
2007
08/05
Sun

Category:読書〔社会科学〕

日本という国 (よりみちパン!セ) 小熊 英二 


 ここ百年ちょっとの日本の歴史を振り返って、現代日本の成り立ちを説明している。分かりやすく、興味深い。政治に疎い私には、これくらいの子供向けのものでちょうどいい。

日本という国 (よりみちパン!セ)
日本という国 (よりみちパン!セ)小熊 英二


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 紹介されている福沢諭吉の言葉がスルドイのに驚いた。「支那を滅ぼして欧州平らなり」の時論を解説して小熊氏がこうまとめている。

 一般国民を無教育の状態にして、支配者だけが知恵をもち、国を治めるというのが「東洋聖人の教法」。…(省略)…だけどこの方法は、世の中が発達せず、交通やコミュニケーション技術が不便だった時代にしか通用しない。
 そういう「東洋聖人の教法」にかわる国の治め方が、「西洋文明の主義」。これは一般国民にも教育をほどこして、知恵と体力をつけさせ、立身出世の欲望を刺激して、自分の欲望を自分で追及させようというものだ。…(省略)…
 しかし福沢は、この「西洋文明の主義」の問題点も指摘している。それは、欲望の発達に、精神の発達が追いつかないことだ。…(省略)…
 教育によって精神をうまく発達させることができれば、自分の欲望と社会的地位は必ずしも一致しないこと…(省略)…がわかるはずだ。…(省略)…そうなると、世の中にたいして、人びとの不平不満がつのってくることになる。


 なんとあからさまな。民衆をアホな状態にして楽に支配したいけど、時代が変わってそうも行かない。じゃあ、民衆に知力体力をつけさせて、民衆自身の力で国力を高めばいい、と。でも、それには問題がでてくる。「貧にして智恵ある者」の発生だ。さらに福沢諭吉の「貧富智愚の説」時論に続く。小熊氏の現代語訳より。

 もっとも恐ろしい存在は、貧しくて智恵のある者である。・・・・世の中のすべてのしくみを不公平なものだとみなし、しきりにこれにむかって攻撃を試み、私有財産制度をやめろとか、土地を民衆の共有にしろとかいう。そのほか賃金の値上げ、労働時間の短縮など、みんなこういった連中のしわざである。・・・・智恵があるために、自分の境遇を苦痛として感じる能力があり、満足することができない。その不平がつもって、ついには破裂して社会主義政党となって出てきたものだ。貧しい者に教育を与えることは、利益もあるが害もあるということを、考えなければならない。


 右翼と左翼の根本的な対立軸が見えてきそう。また、「左」的動きが活発になるのが怖いのはアメリカも同じ。時代が飛んでこんな指摘がある。

 アメリカ本国の世論には天皇を処刑しろという意見がおおかったのに、占領軍の高司令官だったマッカーサーが天皇を残したのは、日本の統治に有利だったからだともいわれている。天皇を処刑すれば、日本の右翼や保守勢力はアメリカに反発して、統治がたいへんになるだろう。しかし天皇を残してアメリカの占領政策に協力させれば、日本の右翼や保守勢力も、アメリカに協力するはずだと考えられた。
 じっさいにマッカーサーは一九四六年一月に、のちにアメリカの大統領になったアイゼンハワー陸軍参謀総長にむかって、こう述べている。もし天皇を排除すれば、日本で「ゲリラ戦が各地で起こり共産主義の組織的活動が生まれる。これには一〇〇万人の軍隊と数十万人の行政官と戦時補給体制が必要である」と。また一九四八年のアメリカのニュース報道は、天皇の存在は「マッカーサー元帥にとって二十個師団にも匹敵する」と述べていた。


 当時のアメリカにとって、日本の右翼より、「共産主義の組織的活動」の方がウザかったわけだ。しかし、それだけに左派の存在はアメリカに対して「つかいで」もあったのだ。

 吉田首相が、アメリカの軍備増強要求を値切るときにつかった口実は、二つあった。一つは、国内の平和運動や野党の反対が強いこと。もう一つは、憲法第九条の存在だった。
 アメリカ側にすれば、日本の軍事力を強くして利用はしたいけど、それを無理強いして日本の保守政権がたおれ、社会党政権になったりしたら元も子もない。吉田はそこを計算して、社会党左派の政治家に、再軍備反対運動を起こしてくれと内密に頼んだこともあったという。それを口実に、アメリカの要求を値切ろうとしたわけだ。


 なかなか面白い話だ。吉田首相はなかなかの戦略家だ。でも本当?!
 ついでにここで憲法第九条の話が出てきていたから引いておく。

 もう一つの憲法第九条については、吉田はこう述べたといわれれる。

 再軍備などというものは当面とうていできもせず、また現在国民はやる気もない。・・・・当分アメリカに(日本の防衛を)やらせておけ。憲法で軍備を禁じているのは誠に天与の幸いで、アメリカから文句が出れば憲法がちゃんとした理由になる。その憲法を改正しようと考える政治家は馬鹿野郎だ。


 こういうわけだから、アメリカ側にとって、憲法第九条はじゃまな存在だった。


 へぇ、憲法第九条って大事だね。
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